女性の一人暮らしだから鍵にはお金をかけたい

住宅のセキュリティーを考えるとき、女性のひとり暮らしというのは最も注意しなければならない条件です。日本は世界で最も治安が良い国であるといわれていますが、女性が安心してひとり暮らしをするためには、それなりのセキュリティー対策が必要なのです。
住宅のセキュリティーにはさまざまな方法がありますが、玄関ドアのカギはまさに防犯の要と言ってよいでしょう。侵入者が狙った住居に入り込む方法は数多くありますが、玄関ドアのカギをピッキングによって解錠する方法は全国的に氾濫しており、非常に危険な状態にあるからです。その昔はプロの鍵師など、ごく一部の人間のみ知ることができたカギの解錠技術は、情報化社会の到来によって無秩序の拡散してしまったのでしょう。
プロの鍵師にかかれば、一般的なシリンダー錠は10秒足らずで開いてしまうといいます。もちろん侵入盗のすべてがそれほどの技術を有しているとはかぎりませんが、少なくとも1分ほどで解錠されてしまう危険性が十分にあるのだと認識しておくべきでしょう。

しかしそうした現状に対しカギのメーカーも黙っているわけではありません。多くのメーカーがピッキング対策を施した高性能なカギを次々と製造しています。それらの中には凄腕の鍵師の技術をもってしても、解錠が不可能というものまであるのです。
カギのセキュリティー性能が高くなるということは、それだけ構造が複雑化するということです。そうした「精密機械」のカギと錠前を制作するには、それなりの費用とコストがかかります。大手のメーカーが商品として売り出すためには、少なくとも大量生産できる状況でなければなりませんが、精密機械である高性能のカギを大量生産するための設備投資は、従来のそれよりもずっと高額なのです。
しかし高い費用をかけて安全が得られるなら、それに越したことはないでしょう。カギは費用をかけるだけの意味があるセキュリティーシステムなのです。